学術情報の探索・活用法 授業案内

この授業のコンセプト

インターネットにつながってさえいれば、手軽に情報を入手できる時代です。 皆さんもご存知の通り、得られた情報には利用価値の高いものもありますが、信頼できない情報も多く混じっており、文字通り玉石混交の状態だと言わざるをえません。 そうした情報環境社会のなかで、いかにして信頼性の高い情報を見つけ出せるのか、さらに、情報をどのようにして選別するのか。そのスキルの有無が、大学で学んでいく上で必要となっています。

この授業では、1つのレポートを作成することを通じて、学術情報のさがし方、選び方、使い方(引用の仕方)を学びます。

こんな経験、ありませんか?

例えば、授業で「『年金問題』について、複数の文献・資料を読んで現状と課題を報告しなさい。 学術的な情報を根拠にし、出典を記載すること。」というレポート課題が出たとします。まず皆さんは、何をしますか?

ここで手始めに事典をひいたり関連の本を読もうとする人は、あまりいないのではないでしょうか。Googleで「年金問題」と検索して、 見つかった様々な記事やウェブサイトの情報を見て、興味のある情報があればいくつかピックアップしてそこから文章を組み立てる… という方が多いのではないでしょうか。中には、見つかった記事を適当に組み合わせてレポートらしく仕立てたり、 そこに載っているグラフをそのままレポートに貼り付けて使用したりする人もいるかもしれません。

しかし先生からは…

これまでの学習では、上記のような方法で作成したレポートが通用した、という方もいるでしょう。 しかし大学でこのようなレポートを提出した場合、先生からは次のような指摘を受けることになると思われます。

…どうでしょうか。ここで問われていることは実は、大学で学修する皆さんには当たり前の感覚として身につけていただきたい、情報を扱う上では基本の視点です。 皆さんはインターネット上から集めて利用した情報について、上記の問いすべてにきちんと回答できるでしょうか?

この授業で学ぶこと

長くなりましたが、この授業では『学術的に正しいと思われる情報をどう集めたらよいのか、また自分のレポートにどのように使えば良いのか分からない』という人が、 信頼できる情報の探し方・使い方を学ぶ内容になっています。
受講生の皆さんが、"大学生らしいレポート"を作成するための情報収集と選択のスキルを身につけられるよう、図書館長・図書館員が全面サポートします。 このスキルを持っていれば、社会に出た後も守備範囲の広い人材として活躍できることでしょう。 どんな難問に遭遇しても、柔軟に対処できる思考の順路を鍛えること。それがこの講座の目標です。